ソフトウェアの脆弱性が企業に招くリスクと対策方法を伝授

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ソフトウェアの脆弱性が企業に招くリスクと対策方法を伝授
作成日時 23/07/14 (10:08) View 272



今日のデジタル環境では、企業は業務において様々なソフトウェアを活用していますが、ソフトウェアの脆弱性が大きなリスクを招いていることは、ご存知でしょうか。

 

サイバー犯罪者は、脆弱性を悪用し、企業の機密データに不正アクセスしているのです。本記事では、ソフトウェアの脆弱性が招くリスクと脆弱性を狙う主なサイバー攻撃、企業が講じるべき対策、そしてダークウェブ監視の必要性について解説します。


ソフトウェアの脆弱性が招くサイバー攻撃

多くのサイバー犯罪者は、企業が使うソフトウェアの脆弱性を利用して、機密データにアクセスをしています。そもそも脆弱性の原因は、プログラミング・エラーや設定ミス、古いバージョンのソフトウェアの使用などです。

 

米の大手セキュリティ企業パロアルトネットワークスの調査によれば、サイバー攻撃の原因として最も多いのがフィッシング詐欺、次いで多いのがソフトウェアの脆弱性と判明。この調査結果からも分かるように、脆弱性を放置しておけば、サイバー攻撃のリスクを高めるのです。

 

サイバー攻撃を受ければ、金銭的損失や風評被害、法的影響、さらには事業停止につながる可能性があります。さらに、顧客情報や企業秘密などの機密データがダークウェブに流出すると、企業の誠実さや信頼性に重大な脅威をもたらすでしょう。


脆弱性が招く主なサイバー攻撃

異なる角度から脆弱性のリスクを理解するために、ここからは脆弱性が招く主なサイバー攻撃を見ていきましょう。

ランサムウェア

ランサムウェア攻撃は、企業のデータを暗号化し、身代金を支払うまでアクセス不能にする攻撃です。近年は、データの暗号化だけではなく、感染したコンピューター内に保管されているデータの暴露も脅迫する「二重脅迫型ランサムウェア」も増加しています。


さらにVeeam Softwareのレポートでは、ランサムウェア攻撃を受けた企業の76%が身代金を支払い、そのうち31%の企業がデータの復元に失敗していると判明。

ランサムウェア攻撃の被害を受ければ、機密データの流出や身代金を支払ってもデータを復元できないリスクが生じます。

DDoS攻撃

DDoS攻撃は、企業のサーバーに膨大な量のトラフィックを送信してサービスを停止させる攻撃です。DDoS攻撃を受ければ、サーバーダウンによるサービスの停止やそれに伴う金銭的被害などを招きます。

SQLインジェクション

SQLインジェクション攻撃は、データベースのクエリを操作して、機密情報を抜き取ったり、改ざんしたりします。ソフトウェアの脆弱性は、SQLインジェクション攻撃のリスクを高めます。

 

例えば、世界中で使用されるCMSのWordPressにおいては、SQLに対する脆弱性が発見されたとの報告があります。SQLインジェクションから機密データを守るためにも、ソフトウェアの脆弱性対策が必須です。

ゼロデイ攻撃

ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェア開発者が気づいていない脆弱性を利用して行う攻撃です。開発者が脆弱性のパッチやアップデートを公開する前に攻撃されるため、対策が非常に難しいという特徴があります。対策法としては、複数のセキュリティツールの導入やサンドボックス環境の準備などが有効です。

ソーシャルエンジニアリング

ソーシャルエンジニアリングとは、業務上のメールや特定の人物に成りすまして、機密情報の盗み取りやセキュリティの侵害につながる行為を取らせる人間の脆弱性を悪用した攻撃です。

ソフトウェアに脆弱性があれば、サイバー犯罪者は容易に機密情報を取り出し、信頼性の高い人物になりすまして、ソーシャルエンジニアリング攻撃を容易に仕掛けられます。



脆弱性を防ぐために企業がすべきこと

それでは、ソフトウェアの脆弱性に関連するリスクを軽減するには、どうすればよいのでしょうか。ここからは、企業が実施すべき対策を解説します。

ソフトウェアの定期的なアップデートとパッチ管理
脆弱性の予防方法として最も一般的なのが、ソフトウェアの定期的なアップデートです。定期的なアップデートは、既知の脆弱性への対応と防御を確実にし、サイバー攻撃のリスクを大幅に軽減します。

従業員トレーニング
フィッシングメールの見分け方や不審なファイルのダウンロードの回避など、サイバーセキュリティの知識について従業員を教育することも重要です。セキュリティ意識の高い企業文化を醸成すれば、脆弱性が悪用される可能性を低減できます。

脆弱性診断サービスの使用
サイバーセキュリティの専門企業が提供する脆弱性診断サービスを使用すれば、ソフトウェアやシステム内の弱点を特定できます。定期的に脆弱性診断をすることで、既知の脆弱性を迅速に発見し、サイバー犯罪者に悪用される前に脆弱性の修正が可能です。

 

弊社もまた、セキュリティ診断や実際にシステムに侵入するペネトレーションテストも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

リスク評価
サイバーセキュリティのリスク評価とは、サイバーセキュリティの専門家が企業内におけるセキュリティリスクを評価することです。定期的なリスク評価を実施することで、企業は潜在的な脆弱性を特定し、優先順位をつけて効果的に対策ができます。また、具体的なリスクを把握し、的を絞ったセキュリティ対策も可能です。


最新のサイバー対策が 「被害が発生した後」にも重要な理由

年々巧妙化するサイバー攻撃を完璧に防ぐことは不可能です。そのため、サイバー攻撃の被害を受けた後、被害の程度を最小限に抑える対策も必要となります。

具体的には、サイバー攻撃を受けた際の行動を記したガイドブックの作成、ランサムウェアに対応するためのデータのバックアップなどが有効です。被害後に迅速な対策をすれば、業務の即座の復旧や暗号化されたデータの復元、二次被害の防止などが可能になります。


ダークウェブ監視の必要性

サイバー攻撃の被害を抑制するアプローチとして、ダークウェブ監視の注目性が高まっています。ダークウェブとは、サイバー犯罪者が盗んだ機密情報や企業の脆弱性情報、ランサムウェアなどの売買をするプラットフォームです。

 

弊社がダークウェブ監視ツール「ステルスモール(StealthMole)」を用いて、国内100大企業の流出状況を調査したところ、全ての企業でダークウェブへの情報流出が確認できました。

 

ダークウェブを監視することで、企業は潜在的な脅威を特定し、被害の防止や軽減が可能になります。例えば、ダークウェブ上で自社の脆弱性情報を確認できれば、サイバー攻撃を受ける前に迅速な対応ができるでしょう。

 

ダークウェブは個人がアクセスすることも可能ですが、様々なリスクが伴うため、基本的には専門サービスの依頼を推奨しています。定期的にダークウェブの監視をして、潜在的な脅威を先取りし、機密情報を保護するための迅速な対応をしましょう。

 

まとめ

ソフトウェアの脆弱性は、様々なサイバー攻撃を招き、ダークウェブへのデータ流出につながる可能性があります。企業は脆弱性を防ぐため、ソフトウェアの定期的なアップデートや従業員教育、脆弱性診断・リスク評価を実施しなければいけません。

 

さらに、サイバー攻撃の影響を最小限に抑えるためには、データのバックアップやダークウェブの監視などが有効です。ダークウェブを積極的に監視することで、企業は潜在的な脅威の特定や重要な洞察を得て、機密情報を保護するためにタイムリーな行動を取ることができます。

 

ダークウェブへの流出状況が不安な方は、ぜひ下記フォームより無料のダークウェブ流出状況調査へお申し込みください。